経営者の平均年齢は年々上昇し、2025年までに約6割(245万人)が70歳以上となる。この約半数(127万社)が後継者不在、その約半数(60万社)が黒字にもかかわらず廃業に追い込まれている、仮に127万社が全て廃業にとなってしまった場合、約650万人の雇用と約22兆円のGDPが失われると言われている。(中小企業庁調査)
中小企業等の経営者年齢の分布
1995年から2015年にかけて高齢経営者の割合が増加する。経営者年齢のボリュームゾーンは、40代後半から60代半ばへと移動した。あと数年で、そのボリュームゾーンが70代に突入する。多くの経営者が後継者探索・確保を障害・課題と感じているが、そう感じていてもその準備・対策に取組める経営者は数少ない。日々の経営で精一杯、または何から始めたら良いのか分からないといったことも背景にあるだろう。後継者を決定して終わりではなく、後継者の育成、承継準備にも時間がかかる、承継のハードルは年々上がっていくことになる。
2016年に休廃業・解散した企業数は2万9,583件と、倒産件数の3倍以上の企業が休廃業・解散を選択している。黒字のまま廃業した企業が約半数の5割を占め、利益率が10%以上の企業も13.6%あった。雇用だけでなく、技術や地域で果たす役割など失われるものは大きい。
廃業か第三者承継か
経営者が高齢で後継者不在の場合、実は選択肢は2つしかない「廃業」か「第三者継承」かである、なかには「従業員承継」も可能ではないかと考えられる方もいるが、それは一時しのぎでしかない。役員である社長の肩書きを代わってもらうことは可能かもしれないが、株主の立場を従業員に代わってもらうことは難しいだろう。他にも借入金や連帯保証の問題もある。
中小企業M&Aの実績
我が国の事業承継などを含む中小企業M&Aは増加傾向であることは間違いないが、前述の後継者不在の127万社という分母と比較すると少ない。
事業承継型M&Aは、後継者問題の課題解決に有効な手段です。
近年では活発化してきている中小企業のM&Aは、譲渡側、譲受側の双方に利益をもたらします。
譲渡側は後継者問題の解決、雇用の確保、信頼と実績の持続になります。一方で譲受側は新たに事業を立ち上げるよりも合理的に事業を開始することができます。何より熟練されたノウハウと実績を獲得することが可能です。